「大丈夫、働けます。」

子育て

「大丈夫、働けます」

大丈夫

どんな人だって働ける。どんな人だって社会とつながれる

成澤俊介さんからのメッセージです。このことを民間の経営者という立場から伝えたい、と。

きれいごと、と思いますか?

いいえ、社会は変化しています。いまここ宮崎・延岡でも変化は起きはじめています。

世界一明るい視覚障がい者・成澤俊介

11月29日に成澤俊介さんの講演会「大丈夫、働けます。~働きづらさを”抱える”人たちへ」を聴きました。

成澤さんは現在NPO法人FDA(Future Dream Achievement)の理事長を務められている、民間企業の経営者です。

先天性難病の網膜色素変性症により20代前半で視力を失い、「世界一明るい視覚障がい者」というキャッチコピーで活動されています。

2017年にTEDxSapporoに登壇されたときの動画はこちら。就職困難者や支援者だけでなく、希望を失っている人に見てほしいです。

本を読みたいという方は『大丈夫、働けます。』で検索してください。

障がい者も仕事を選ぶ権利がある

働きたいと思った人の多くはハローワークを訪れます。でもそこで、本当にやりたい仕事を見つけた人は少ないのではないでしょうか。

ハローワークの求人を見ると、介護の仕事や事務職、保育士など限られた仕事ばかりが目につきます。

その中でも障がい者の求人となると、ほとんど選択肢はありません。延岡市で障害者手帳を交付されている人は7,146人(平成28年版延岡市統計書より)ですが、ハローワークで障がい者を募集している求人は、パートも含め、ほんの数件から多くても10数件です。

そんな状況で、自分は障がい者だから、就労困難者だから、この中から選ぶしかないんだ、と妥協してきた人がきっとたくさんいると私は思います。

でも成澤さんのお話は、障がい者でも就労困難者でも、好きな仕事に就くことができる(そういう社会にしていかなければならない、していくんだ)ということが前提としてありました。

障がい者や就労者に限らず働く現場とは「自分らしい」をつくる場だと。

大丈夫、働けます。時代は変わっているテクノロジーは変化している。だから安心しろよ、と。

人は人とのつながりの中で生きている

「僕の仕事は、誰かの相手になることです。」

成澤さんのこの言葉が心に残っています。人は人とのつながりを求めている相手がいるから存在できる。

このお話を聴きながら私は西村佳哲『わたしのはたらき』に収録されている川口有美子さんのインタビューを思い出していました。

川口有美子さんは、『逝かない身体』という本で、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した実母の12年間にわたる介護生活を書きました。この本は2010年の大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したそうです。

ALSは運動神経が溶けてなくなる病気で、そのため筋肉が落ちて動けなくなる難病です。最終的には肺の筋肉が動かなくなって呼吸ができなくなります。

そこで川口さんたちは「呼吸器をつける」選択をしました。だけどすぐにその選択を後悔します。「母に可哀想なことをしてしまった」と。

だけど母を観察するうちに

こういう生命があっていいし、ただ生きているのもとても大事なことだと、だんだんわかってきた。無駄じゃない。

と思うようになったといいます。

なにもできないんじゃなくて、まわりがしてあげればできる

と。この経験を経て川口さんはこう言います。

関係性の中で生きている限り、人には必ずなにか与えられる使命がある。(中略)自分にできることを一所懸命やること

そしてこうも言っています。

本当にささいなことでも、一所懸命やると仕事になっちゃうんですよね。

人は人とのつながりの中で生きています。だから、「つながりたい」という気持ちさえあれば大丈夫。その気持ちは、自覚しているかどうかに関わらず、おそらく誰もが持っている気持ちです。

だから困っているあなたも「つながりたい」という気持ちがあるなら、成澤さんの本を読んでみてください。それから延岡で活動する人たちに会いに行ってみてください。

感想

ここまで書いてきて、正直、受けた感動を言葉にできた感じがぜんぜんしません。成澤さんの言葉はどれも本物でした。講演中に出てきたどのフレーズも「自分の言葉」でした。こんなに言葉を自分のものにしている人に出会ったのは、31年間で成澤さんが3人目です。

個人の苦しみを生き抜き、それを普遍化できたとき、人はこんなにも強くなるのでしょうか。成澤さんは確かに視覚障がい者ですが、彼が見ている世界はとても広く、彼の視野はものすごく広いことが、じんじんと伝わってきました。

成澤さんは講演で本題に入る前にこうおっしゃいました。

勉強で得られることは答えでなく問いである。問いが見つかる2時間にしてください。」

違う結果を出すには違う取り組みをせよ。行動の手がかりになる2時間にしてください。」

きっと成澤さん自身が、繰り返し繰り返し問うことをやめず、また行動し続けてきた方だ、ということは間違いないでしょう。

身近にある問いを突き詰めて考え、一歩を踏み出すことが、私たち自身がより良い社会をつくっていく近道なのだと私は思います。

延岡で「大丈夫、働けます。」を実践している方たち

講演後のトークセッションに登壇された方々の取り組みをご紹介をします。紹介内容は各ホームページ等からの引用です。詳しくは各ホームページをご覧ください。

株式会社めだかファミリーグループ

この講演会は株式会社めだかファミリーグループ代表取締役の押川敬視さんと、後述のセレンディップ高等学院学院長の新川菜生さんが共同で主催されました。

めだかファミリーグループは「自分の家族を安心して預けられる施設」を目指し、就労移行支援・就労継続支援B型・生活訓練に取り組んでいます。

障害者手帳の有無にかかわらず、医師の診断や自治体の判断など就職に困難が認められる方が利用することができます。

就労移行支援

企業で働きたい方を対象に働く為に必要な知識・能力を一定期間身につけられます。

就労継続支援B型

働いてお金をもらいながら、就労に向けて継続的に訓練作業していきます。

生活訓練

地域生活を営む上で、生活能力の維持・向上のために必要な知識・能力を一定期間身につけられます。

レスパイトサービスあるたす

レスパイトサービスあるたす(代表・堀之内健吾さん)は、大きく4つの事業に取り組んでいます。

児童発達支援 あるたす

発達が気になる未就学(0歳~)の子どもを対象とした、個別・集団療育を行う通園施設です。

学童保育 放課後クラブいんくる

学校や家庭で困難さを抱えている子ども(6歳~18歳)に対し、コミュニケーション支援や学習支援を行います。

少人数保育・一時保育 保育施設うちのん

家庭的な雰囲気を大切にした小規模型保育園です。生後6ヶ月~の一時預かりや学童保育も行っています。

一般/特定 児童相談支援 相談サポートあるたす

児童発達支援事業所や放課後デイサービスを利用したい場合の窓口です。発達相談なども受け付けています。

子どもの遊び場ギフト

馬場愛子さんが主宰するこどもの遊び場ギフトは週に1日のフリースクールです。毎週金曜日にオープンしています。

若者サポートステーションサテライト延岡

みやざき若者サポートステーションサテライト延岡(所長・深田恵子)は、就労を目指す15~39歳の若者とその家族の支援を行っています。

セレンディップ高等学院

セレンディップ高等学院は、延岡市にある通信制高校です。「知力」「感性」「セレンディピティ(幸運活用能力)」をもってひとりひとりが持てる力を最大限発揮し、日本・ひいては世界に貢献する人材を育成することを教育目標に掲げています。

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